iTELAS COLUMN

ITが苦手な方を置いていかない、AIの取り入れ方

ITが苦手な方こそ現場を知る大切な存在です。一人ひとりのつまずきに合わせ、置いていかずにAIを職場へ根づかせる進め方を整理しました。

2026年10月10日

新しい道具を職場に入れるとき、いちばん気にかかるのは「パソコンやスマートフォンが苦手な人が、ついてこられるだろうか」という点ではないでしょうか。AIのように言葉だけ先に広まっている道具ではなおさらです。「自分には関係ない」「触ったら何か壊しそう」と感じて、最初から距離を置いてしまう方も少なくありません。

けれど、ITが苦手な方こそ、現場の段取りや人の気持ちをいちばんよく知っていることがあります。その方たちが置いていかれる進め方は、結果として道具そのものも根づきません。今回は、ITが苦手な方と一緒にAIを使い始めるための進め方を整理します。

「苦手」の中身は、人によって違います

ひと口に「ITが苦手」といっても、その中身はさまざまです。文字を打つのが遅くて億劫な方、画面のどこを押せばよいか分からない方、間違えたときに元に戻せるか不安な方、そもそも何に使うのかが腑に落ちていない方。どこでつまずいているかによって、必要な手助けはまったく変わります。

まずは「なぜ使いにくいと感じるのか」を、責めずに聞いてみることから始めるのがおすすめです。研修を一律に用意するより、一人ひとりのつまずきを知るほうが、遠回りに見えて近道になることが多いものです。打つのが億劫な方には音声で話しかける使い方を、元に戻せるか不安な方には「試しに使ってよい場所」を用意する、といった具合に、手助けの形を合わせていきます。

最初の一回は「その人の困りごと」で使う

AIの便利さを説明するときに、目新しい使い方の例を並べたくなりますが、ITが苦手な方にはあまり響きません。響くのは「自分が毎日少し困っていること」が軽くなった経験です。

たとえば、毎回同じような言い回しで書いているお知らせの文面、読みにくい手書きメモの清書、説明書の要点を短くまとめること。本人が「これは面倒だ」と感じている作業を一つ選び、隣に座って一緒に試してみます。操作は最初は代わりに行ってもかまいません。大切なのは「こういうことに使えるのか」と本人が実感することです。

このとき、AIの答えが完璧でなくても問題ありません。「ここは違うね」と本人が気づき、直していくやり取りこそが、AIとの付き合い方を覚えるいちばんの練習になります。仕事を知っている人だからこそ、AIの間違いに気づけるのです。

「分からない」と言える場をつくる

ITが苦手な方が道具から離れてしまう大きな理由は、分からないことを聞きにくい雰囲気です。「こんなことを聞いたら恥ずかしい」「忙しそうで声をかけにくい」と感じると、使わないことがいちばん安全な選択になってしまいます。

そこで、気軽に聞ける相手を職場の中に決めておくと効果的です。詳しい人である必要はなく、少し先に使い始めた同僚で十分です。また、AIそのものに「この画面の使い方を教えて」と尋ねてよいと伝えておくのも一つの方法です。人に聞きにくいことでも、AIには何度でも同じことを聞けます。分からないことを支える役目の一部を、AIが担ってくれるわけです。

あわせて、「入力してはいけない情報」だけは最初にはっきり伝えておきます。禁止事項がぼんやりしていると、慎重な方ほど何も触れなくなります。守るべき線が明確であれば、その内側では安心して試せるようになります。

置いていかない進め方が、職場全体を強くする

AIの導入は、詳しい人が先に進んで、あとから全員が追いつくものと考えられがちです。けれど実際には、ITが苦手な方が使えるようになった進め方こそが、職場に定着する進め方です。説明の言葉が分かりやすくなり、手順が整理され、誰が休んでも回る形に近づいていくからです。

iTELASは「人を想う心が、AIを価値に変える。」という考えを大切にしています。道具の新しさよりも、使う一人ひとりの戸惑いや得意なことに目を向けることが、AIを本当に役立つものにする近道だと考えています。職場への取り入れ方に迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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