アンケートの自由記述欄、問い合わせフォームに届く声、口コミ、営業担当が聞いてきたひと言。お客様の声は、どの会社にも少しずつ届いています。けれど「集めてはいるものの、きちんと読み切れていない」というお話を伺うことは少なくありません。
点数で答えてもらう項目は集計しやすい一方で、自由に書かれた文章は一件ずつ読むしかなく、忙しい時期ほど後回しになりがちです。今回は、そうしたお客様の声をAIと一緒に読み、次の行動につなげる考え方を整理してみます。
読み切れない声は、なかったことになってしまう
自由記述の声には、点数だけでは分からない大切なことが書かれています。「説明は丁寧だったが、待ち時間が長かった」「書類の書き方が分かりにくかった」といった具体的なひと言は、改善の手がかりそのものです。
ところが、件数が増えると担当者が目を通すだけで手いっぱいになります。印象に残った数件だけが社内で共有され、残りは保存されたまま眠ってしまう。そうなると、せっかく書いてくださったお客様の思いが、会社の中で生かされないまま終わってしまいます。
AIに任せやすいのは「仕分け」と「下ごしらえ」
AIは、たくさんの文章を読み、似た内容ごとにまとめることを得意としています。たとえば次のような使い方が考えられます。
- 話題ごとに仕分ける:「料金について」「対応の早さについて」「使い方について」など、どんな話題が多いかを整理します
- うれしい声と困りごとを分ける:感謝の声と、改善を求める声を分けて一覧にします
- 代表的な声を抜き出す:話題ごとに、特徴がよく表れている声をいくつか選び出します
これだけでも、全体の傾向をつかむまでの手間はぐっと減ります。担当者は「全部を読む」ことから解放され、「どこを深く読むか」を考える時間を持てるようになります。
ただし、AIに入れる前に立ち止まりたいことがあります。お客様の声には、お名前や連絡先、ご家族の状況など、個人が分かる情報が含まれていることがあります。「そもそもこの情報はAIで扱ってよいのか」を判断し、必要に応じて個人が分かる部分を取り除いてから使う。この一手間を、仕組みとして決めておくことが大切です。
声の重みを受け止め、応えるのは人
AIがまとめた結果は、あくまで入り口です。件数が少なくても見過ごしてはいけない声があります。たった一件の「不安だった」というひと言の奥に、多くの方が言葉にしていない同じ思いが隠れていることもあります。どの声を重く受け止めるかは、お客様のことを知っている人にしか判断できません。
また、AIの要約は元の言葉のニュアンスを落としてしまうことがあります。気になった声は、必ず元の文章に戻って読み直してください。お客様がどんな気持ちでその一文を書かれたのかを想像することが、本当の改善につながります。
そして、読んだ声に応えるのも人の仕事です。改善したことをお客様にお知らせする、社内で話し合いの時間を持つ。声を届けてくださった方に「ちゃんと読んでもらえた」と感じていただけることが、次の声を集めることにもつながっていきます。
私たちiTELASは「人を想う心が、AIを価値に変える。」という考えを大切にしています。AIは、届いた声を整理し、読む時間をつくる手助けをしてくれます。その時間を使ってお客様の思いに向き合うのは、人にしかできないことです。お客様の声の生かし方に迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。